このようにしてとりあえず夏をはじめたわけではあるが、ミラノにいながら家族こぞって食事に出掛けるだけではなく、やはりこの季節に相応しい旬なところを巡らなければなるまい。
7月の下旬、まずは二泊三日くらいでちょいブラできる週末プランを立ててみた。遠出と言うまではなく、それでいて夏気分を味わえるところ、そう考えたらベタではあるが、やはり北イタリアの湖水地帯がいい。湖といったら個人的な好みあってやはりガルダ湖、宿泊することを考えたら迷わずにそうなってしまう。
昨夏もコロナを縫ってやってきた湖の底辺に突き出す半島の避暑地シルミオーネが、一年を経て明らかに様相が異なる。
3月(昨年)にパンデミックを起こし世界中に地獄絵を見せつけたイタリアも、夏が訪れるとともにやや落ち着いて、国境内であれば、マスク姿ながらバカンス地への滞在も許される状況となった。穏やか過ぎるバカンス地の図に肩透かしを食った感は否めないが、避暑気分というよりは、コロナ疲れを癒すための滞在だったように思う。
しかし今夏は違う。国境が開かれたことで他の欧州諸国よりここ楽園を目指しての人流が戻ってきている。テーブルを囲んで、あるいはジェラート片手に耳に飛び込んでくる様々な言語の交錯がその証拠であろう。から騒ぎが様々な国の言葉で繰り広げられることこそシルミオーネでの醍醐味なのである
。
レストラン、あるいはホテルのロビーなど空気の澱みやすいところではマスクを付けながらも、アウトドアやオープンテラスにおいて着用義務に縛りはない。欧州では8割方、12歳以上のワクチン接種が進んだことが、自由を得はじめたことに繋がるようだが、ここに行き着くまで払ってきた多くの犠牲が一人ひとりの感染を危惧する思いを育み、いままだ完全とは言えないまでもこの黎明に辿り着いたのではないかとそのように思う。
から騒ぎのあるシルミオーネはいい。こどもたちの笑い声、陽光に反射する水面。避暑地に相応しく季語に等しく感じる。半島の中心部に許可車以外は入れないことも人たちに歩く自由を感じさせる一因であろう。
ここに宿泊しながら、夜になると隣町、ヴェローナの野外劇場へ移動してオペラに浸る。ここも昨年200人しか入れなかった観客席だが、今年は劇場キャパの半数6000席を開放してのスペクタクルとなった。
7月31日はヴェリズモ・オペラ、マスカーニの「カヴァレリア・ルスティカーナ」とレオンカヴァッロの「道化師」のカップリング上演となる。ここは徹底したマスクながらの観劇となったが、それでもかなり平常時に近い、舞台に没頭できる安堵が戻ってきたように思う。
堂満尚樹(音楽ライター)
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